皆さんは、
”世界最貧国の作った製品ブランド”
と聞くと、どのようなイメージを抱かれますか。
100円均一?
まがいもの?
偽者?
海賊版?
途上国の製品と聞くと、そんなイメージが僕にはありました。
が、そのイメージは、どうでしょうか、正しいのでしょうか。
ごめんなさい、
途上国の製品やフェアトレードが悪いって言うんじゃないんです。
ただ、今日行ってきた会社が最貧国で作っているものが、
僕の見てきた途上国の製品やフェアトレードに比べ、ずば抜けてすごかっただけです。
今日行ってきた会社は、株式会社マザーハウス。
簡単にマザーハウスの説明を入れておきます。
代表の山口絵理子さんが、バングラデシュの大学院に通っていた、当時23歳で起業しました。
もともとはバングラデシュのジュート(麻)という材を用いて、カバンや服飾の製品を造り、販売しています。
現在は、皮の製品も取り扱っています。
フェアトレードや途上国の製品と聞いて、僕がイメージするものは、
商品が並んでいるものを見て、
正直、大して欲しくもないけど、
「これで、恵まれない人が救えるのなら。」
「可哀相だから買ってあげよう」
と同情で、買っていく
そんなイメージでした。
今回の会社も最貧国バングラデシュ発のブランドとのことで、
本店へ行くまで正直
そこまで、期待してませんでした。(ごめんなさい。)
が、かなりオシャレでした。
商品についてですが、バングラデシュでできているとはいえ、
カバンは、大体ひとつ3万円から5万円程度。
値段は日本の商品とも変わりません。
マザーハウスでは、商品一つ一つがとても素敵。
クオリティにばらつきがなく、
マチや縫い目もしっかりしており、
「これ、本当に途上国の人がつくったんだろうか。」
と思うほどでした。
山口絵理子さん著の
「裸でも生きる」の中では、
最初に出来上がったものは私のスケッチとは程遠い、麻袋だった。
「これ本当に良い商品だと思う?」
工場の一人ひとりに一生懸命説明する。だれ一人私の意図を分からない。分かろうともしないのかもしれない。
「これお客様だったらどうかな」
答えは何も返ってこない。
と、ものづくりを途上国で行う難しさが書いてありました。
が、店舗に出ているものは、そんな「途上国のものづくり」という甘さが見えない商品ばかり。
手にとって見て、「買いたい」と思うものばかりで、
おもわず、銀行へお金を下ろしに行き、6000円超える名刺入れを買ってしまいました笑
商品のこだわりももちろんですが、陳列の仕方や内装にも工夫がありました。
店舗の内装はスタッフで作っています。
一度造ったものの、イメージと違う場合は、
作り直し、ひとつずつ理想に近いものに変えています。
本店には、フィッティングルームも、あったそうなのですが、コンセプトを売り出すため、
あえて、フィッティングルームは、壊したそうです。
フィッティングルームがあった場所
フィッティングルームがあった場所は、店の原点が集約された場所になっていました。
床材は、一号店の床をイメージし、お店のコンセプトを額に入れ、
現地の様子や商品への想いを伝えるDVDが流れていました。
もともと、一号店は、台東区ではなく
別のところにございました。
が、アクセスが悪く、路地裏に立地し、来られるお客様も迷われていました。
コンセプトとしては、
「ゆったりコミュニケーションを取れるようにしたい」
としておりましたが、
お客様も、次第に増えた事により、
「お客様に優しくないよね。」
ってことで、移転し今のところへあります。
ここまではハードの話でしたが、店員さんも素敵です。
担当してくださった店員さん自身も、ここに来るまでは、
「なんとなく就職先の候補の一つだった」
そうですが、妥協しない製品作りや商品への思い入れなどを感じ、
今は、すごく仕事が楽しい、とのことです。
店員さんがすごく楽しそうに話をされているのを見ると、
「またここで買いたい」とおもいますよね。
マザーハウスのコンセプトのひとつに
Fashion is philosophy:
We wear what we believe.
ファッションとは哲学そのものである。
私たちは価値観を身に着けている。
とあります。
何を買い、何を消費するか、僕たちの人生にとってだいじなことは何なのか、
「バングラデシュは、お金がない。だから、お金を渡そう。」
という発想ではなく、
働く人に誇りを与えることを大事にする、社会起業家。
そんな山口絵理子さんの素敵な会社でした。