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こんにちは、ハタラクワカモノ研究家のヤマモトです。

去年一年、
「なんで若者は3年で仕事を辞めるのだろう」
「仕事を辞めるのに、一生懸命やった就職活動は、なんだったんだろう」
ということが気になって、イベントを開いたり、アンケートを取ったりし、
「なぜ若者が3年で辞めるのか」
というところにフォーカスを絞り、結果をまとめました。



1.若手社員の「辞めたい理由」から見る、仕事に対して重要視するポイント


インターネットからとったアンケートからは、
(22‐27歳までの若手社会人85名:入社前の満足度は「満足」「おおむね満足」と回答)

辞めたい理由をおしえてください


「2.辞めたい理由を教えてください。」という質問には

「仕事の意義」15.3% 
「興味関心」11.8% 
「人間関係(上司)」10.6%

の不満ポイントが高い順位となっています。


少し抜粋すると、
 ―企業理念に沿った人が一部しかいない(東京都在住24歳男性)
 ―そもそもやりたいことにマッチしていない(福岡県在住25歳男性)
 ―他の社員と性格がなじめない。
  周りは安定や保守を重視しており、変化を望んでいないように見える。(東京都在住23歳女性)

という意見が出ていました。


しかし、
「3.ここが良くなれば会社を辞めないというものがあれば、教えてください。」
という質問には、

1「仕事の意義」12.9%
2「給料」10.6%
3「興味関心」9.4%

と給料のポイントが上がっています。
これは、意外でした。
通常なら、「人間関係が良くなるのであれば、辞めない」という回答が出そうです。

が実際は、給料。
社会人になると、給料上がるなら、人間関係や仕事の意義は、我慢できると思っているとも言い換えれるのかもしれません。



2.では、給料を上げれば、人材流出が止まるのか。

「入社を決める決め手は?」という質問では、「仕事の意義」、「やりがい」、「社風」についで4番目の「給料」となっており、全体の中から見ると、入社の決め手の優先順位が高いという印象ではありませんでした。

話を入社後に戻すと、年収を見てみましたが、アンケート上で、「仕事を辞めたいと答えた人」と「仕事を続けたいと答えた人」の平均年収に大きな違いは見当たりませんでした。


また、「仕事を続けたい理由を教えてください。」という質問には、

興味関心 20%
仕事の意義 17.6%
人間関係(上司) 12.9%

となっていました。

つまり、人材流出の根本的な問題は給料ではなさそうですね。



3.「就活」が起こす、「仕事」のインフレ

では、なぜ給料と答える人が多かったのか。

この点については、
就活、という活動が活発化し、『仕事の価値』が、インフレしている
のではないか、と感じます。

就活の中では、
「これだけの競争倍率から内定を勝ち取ったから、絶対いい仕事だ。」
という期待値が徐々に上がります。

これが、自分がほしい商品やサービスだったら、それで良いと思うのです。
・すこしでも割安な商品を買いたかったから、スーパーをまわった。
・良いカメラがほしかったから、ネットでいろいろ調べた。
・良い家を買いたかったから、いろんな展示会をまわった。

でも、就職する・入社するっていうことは、
自分がショーウィンドーの商品を買うことじゃなくて、
自分がショーウィンドーになり、商品自体になることだ
と思うんですよ。

ちなみに、今回のアンケートは、入社前の満足度は、
「満足」「おおむね満足」
と答えている人の集計を行いましたので、入社前に不満足で入社した人ではなかったはず。
しかし、就職し実際辞めた数は、3割。勤続中で辞めたいと答えている人が、4割弱います。

つまり、「就活が作る仕事価値のインフレ」によって、実像との間にギャップが生まれ、
若者の離職が起きているんじゃないかなと思いました。