不動産の仕事をしていると、圧倒的に「投資」の話になることが多いです。
大家さんとする不動産運用の話、銀行の方とする最近の利回りの話、入居者さんと家賃の支払い計画、などなど。

投資はうまくおこなえば、 自由な時間や自由に使えるお金が増えます。
けれど、世の中には投資と呼ばれるものの、 怪しいものもたくさんあります。

かくいう僕も、怪しい勧誘はたくさん受けました。
そんな僕なりに考えた、投資におけるリスクの取り方について書きました。
1.20代は、知識も経験もないことを自覚する。
そもそも、リスクって何がリスクか分からないところからスタートしますよね。

特に20代のうちは、知識も経験もないので、変な話がたくさん来ます。
し、逆に良い話でも、うまい話すぎて、疑うこともあります。

例えば、マンションも「満室ですよ」「高利回りですよ」と言われても、
とても安い値段で売っていたら、怪しいなと思います。

それでも、年配の人や身近な人が、めっちゃ儲かる、と言っていると、
不思議と疑わなくなるものです。

それをうまく利用しているのが、例えばネットワークビジネスです。
マルチレベルマーケティング(MLM)とも言われ、
ねずみ講という呼ばれ方をすることもあります。

久しぶりの友人やリッチな先輩から
「これ、めっちゃ儲かるよ」
と言われると、なんだか信じたくなりますよね。



2.投資によって発生する損失と得られるものは、何かを理解する。
ここで、大事なのは、「何」を投資し、「何」が得られるのか、です。

先の、ネットワークビジネスでは、自分自身の人脈を提供し、
友人からの信頼を失いながらも、自分の商品を高値で買ってくれる人を探します。
結果得られるのが「お金」です。

場合によっては、友人の信頼を失うまでに至らないケースもあるかもしれません。
多くの場合は、もう連絡がとれなくなる友人もいる事でしょう。
なので、「自分の人脈」を投資していることにもなります。

また、ネットワークビジネスを始めれば大量の在庫を抱えるので、
失うかもしれない「元金」も投資している、と考えられますね。


僕の元友人を例にあげると、
彼はネットワークビジネスを始めた後、
堅実な会社を辞め、アルバイトを始めました。

「もっと自由な時間が増えるから」だそうです。
その時間をネットワークビジネスにあて、拡大するとの事でした。
この場合で言うと、彼は「元金」「自分の人脈」「時間」を投資しました。

結果、「お金」を得る事ができます。

そのお金が、会社員時代に生涯得られる給料を越えた時、
適切な投資だった、と言えますね。



3.「投資をするもの」のビジネス構造を理解する。
ところで、そのビジネスはなぜ、お金が増えるのでしょうか。

例えば不動産投資を例に挙げると、
入居者が自身の物件に入り、初めて「家賃」が入り、
「家賃」から「管理費」「修繕積立金」「募集に伴う広告代」を支払い、
手元に残るものが、投資元の利益です。

不動産会社は、大家さんに儲けてもらうことで、自身も利益をあげます。
そもそも、不動産会社に利益のない取引や自分でやった方が良い取引は、大家さんには話しません。

もっとも大家さんの損失があっても、自分が儲けるために勧める不動産会社もあります。



4.自分が投資が出来るものはどれだけあるのかをはっきりさせる。
自分が投資できるものは何がどれだけあるのでしょうか。

投資できる、と判断するラインは人それぞれですが、
例えば、自分の命に代えても成功させたい、という人もいれば、
毎月20万円の手取りから、5000円なら、という人もいるでしょう。

ここで大事なのは、投資したいそのビジネスがブラックボックスになっている状態で、
大きな投資をすると、失敗した時に再起できないということです。

例えば、投資したいそのビジネスの中身が分かるのは投資し始めて、
しばらく経ったあとでしょう。

最初は、「お金」を投資すれば良いと思っていたところ、
「信頼」や「時間」も投資しなければならない、と気づくのはよくあることです。

その時に、最初の「元金」を取り戻すため、勝ち方が分からないまま、
投資効率の悪いところに、投資し続けても負けるだけです。

どうすれば勝ち、どうすれば負けるのかきちんと理解すれば、
投資において、そうそう負ける事はないでしょう。


僕は会社員の時、投資信託に元金100万円を入れ、
少額ですが月1~3万程度のお金を得て旅行をしていました。
(100万円を投資し始めてから、通年で赤字になる事はありませんでした。)

それはまず5000円から投資し始め、どうすればお金が増減し、
どうすれば、見えないリスクに備える事ができるのか、
ということが分かったからです。



5.つまるところ投資、とは何か。
不動産、投資信託、株式、FXなどなど、
投資と聞いて思いつく事はたくさんありますが、
「投資」とはなんでしょうか。

得られるものをはっきりさせよう、と話しましたが、
なにも「お金」ばかりに固執せずとも、
「幸せ」というものを得られるものに挙げても良いのかなと思います。

例えば、こどもにより良い教育をするために学校に寄付をしたり、
新しい社会基盤の為にお金を使ったり、
代替可能なエネルギーにお金を使う事も、投資かもしれません。 

友達と良い関係を保つために、プレゼントを買う、
というのも、投資かも知れません。
(ドライに書き過ぎかもです。)

 自分にとって、投資で得られるものと失うもの、
本当に欲しいものが明確になっていれば、
何に投資しても人生は幸せになるのではないでしょうか。