まず、断っておくが、これはいわゆる投資の成功談ではない。

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去年の暮れ、僕は大家になった。
買った訳ではなく、賃貸物件を借りて僕は大家になった。
借りた賃貸物件を他の人に貸す、転貸借という形である。
勿論、大家さんには断りを入れ、毎月お金をお支払いしている。

そのときの貯金額は、11万円。
正確に言えば、114,420円。
さだかではないが、当時の預金通帳にはそう書いてある。

僕は、半分個人事業主、半分社長という形で働いている。
会社も去年の4月に立ち上げたばかり、ろくすっぽな固定給はない。
(今年度の役員報酬は無論、0円である。)

 そんな僕が、大家になった。
僕が借りたのは、もともと社員寮だった物件。

15部屋ある。

これは、たのしいぞ、
と意気揚々と所有者さんに提案した。

実は、所有者さんには提案を3回くらい断られた。

当初は、一緒に面白い事をやろう、という話からスタート。
けれど、僕から良い企画がだせず、3回断られた。

3回、打診してみて、実は自分も手応えがなかった。
「これ、他とかぶってそう。」

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「やまもとさんが、やりたいことは何?」
という宿題をもらって、でもパッとは答えられなかった。

今も当時も、他でシェアハウスの管理人をやっているのだけれど、
いかんせん、 
「こうしたら、運営がうまくまわる」
というノウハウはあっても、
「これがしたい」
という想いはなかった。

だから、いろんな人にきいた。

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友だちや先輩は、そんな僕を面白がって、
いろいろアドバイスをくれた。

30人くらい集まって、いろいろアドバイスをくれたりもした。

申し訳ない事に進行は、ぐだぐだだったし、
これで良かったのかは分からないけれど、
帰りがけ、久しぶりの友だちからも
「楽しかった」
と聞けた。

アドバイスをもらい、
久しぶりの友だちに会い、
楽しかったと言われる、
最高である。

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いろいろ、考えた末、
リスクはあるものの、大家さんから借り上げる事にした。

自分でなんとかしよう、と考えていたのだけれど、
これだけ、素敵な友だちや先輩がいるのであれば、
最終的にはなんとかなるだろう、と。

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最初、入居してくれたのは友だちだった。

実は彼とは、2年前新潟のゲストハウスで、
ちらっとすれ違ったぐらいの仲だった。

知ってる事よりも、知らない事の方が多いのだけれど、
いかんせん、彼は自分のやりたいことをいろいろ試していた。

一緒にやれたら、面白いのでは、と思った。

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そして、一番初めに入った彼には、
なるべく好きにしてもらおうと思った。

思っていた。

彼は、とにかくアイディア豊富であった。

1階をワンフロアにしよう、だとか
1、2階をぶち抜こう、とか
「大家さんに返す時、どうしよう」
と思う事ばかり提案された。

口では、「良いと思います、全然OK」と言ってたけど、
頭の中では、全然OKじゃなかったし、
途中からは、口からも漏れてた。

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借り始めた最初の僕は、結構ビビっていた、
し、今もビビっていないか、と言えば嘘になる。

いかんせん、最初の貯金は11万円だったので、
とにかくお金の話ばかりしていた。

ついでに言えば、
今もお金の話ばかりしていることに
最近、気がついた。

水光熱費はいくらになるのか
備品はどれくらいかかるのか
家賃はいくらだと所有者さんにしっかり還元できるのか

とにかく出費が気になった。

根が、ビビリなのである。

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今、考えると彼には申し訳ない事をした。

前の方がつかったまんま、
掃除機すらかけず、
リビングの暖房もつかず、
ただ、部屋があるだけの物件に住んでもらった。

もっと言うと最初に彼が買った、
バルサンの代金も、僕はまだ支払っていない気がする。

住み始めて2ヶ月間、彼は風邪をひいていた。

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この教訓から、
リビングにこたつを置き、
エアコンのリモコンが壊れていたので買い直し、
貸す前には、掃除機をかけるようにした。

書くまでもなく、
とても当たり前である。

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まだまだ準備中の状態から、
友だちや後輩と合宿のようなことをした。

当時は共用部の提案を作っていたのだけれど、
みんなでピザを買ったり、
買えてなくて、店舗前で待ったり、
ラーメン食べたりした。

夜通し提案を作っていたので、
プレゼンハイにもなった。

でも、一番は覚えているのは、
リビングがとても寒かったことである。

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がらんどうだった、リビングはどんどん物が増えてきて、

なぜか、リビングに洗濯機が置いてあるようになったり、
なぜか、こたつが3つきたり、
ある日突然、ハムの原木が来たり、
みんなでたべたり、
うどん打ってもらったり、
みんなでたべたり、
遊びにきた人がおみやげにお酒持ってきたり、
みんなでのんだり、
こたつがもぞもぞ動くと思ったら、
ジョンレノンみたいな人が入っていたりする。

毎日、驚きの連続である。

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皆様のご厚意で、リビングにある物はほとんど無料。
ソファもテレビもこたつも棚も暖房も、全部である。
ありがたく毎日使わせてもらっている。

入居者は、飲み会をする度、どんどん増え、
現在は、予定者も入れると計8人になる。
(うち、1人は僕である)

まず、最初に飛び込んでくれた彼ら
(特に最初の入居を決めた2人)には、
とても感謝している。

彼らが入ったからこそ、
今の雰囲気が出来ていると思う。
とても楽しい。

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この間は、入居者さんから誕生日に、
スノボのゴーグル(眼鏡でもかけられるやつ)をもらった。

サプライズだったため、リビングに入るな、と言われ、
早速テレビか何か壊れたのかと思った。

もう一度言うが、僕はビビリなのである。

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所有者さんには本当に感謝で、
今は、入居率に応じて家賃を払わせてもらっている。
提案することも、だいたいお任せ頂いている。

本当に感謝しかない。
 
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大家になって、3ヶ月が経った。

大家さんが抱える、
毎月の出費と
空室の無収入期間と
修理の出費の
プレッシャーは、大きい。

ローンがあると尚更だと思う。

自分が大家になって改めて感じる事は、
それでも、賃貸経営は幸せなのである。

不動産管理をするものとして、
改めて、大家さんのプレッシャーや手間を一緒に考え、
入居者さんに寄り添える立場になっていきたい。 

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いや、まだまだ完成系ではないのである。

だからこそ、是非一度遊びにきて、
僕らと一緒にお酒を飲んで欲しい。 

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