僕は先月、初めて有償の常勤スタッフを雇った。
今月1日からの勤務で、 試用期間を経た後、正社員として採用となるか決める。

実質2日しか働いていないものの、彼女はとても優秀(=努力家で仕事が丁寧、相手目線の思いやりのある)であることが分かった。いや、僕が偉そうに言える事ではないのだけれど、本当に助かっているのである。

自社の社員を褒めるのも、おかしな話だ。が、とても嬉しいので備忘録として書いておく。

ーーーー

先月までの僕は、どんどん仕事(量も増えたが、種類が特に)も増え、正直1つの仕事に対して、自分が納得いく程、詰めることが出来ていなかった。

実際、手を動かす時間と頭を動かす時間をうまく切り分けられず、悩んでいた。

そんな時、入社希望者がきた。

正直、面接希望の彼女から電話が来た時、採用する気はさらさらなかった。
というか、そもそも募集すら出していなかった。

彼女は、取材記事で共感してくれ、弊社を知り、やってきた。

インターンの募集の投稿をみていて、雇って欲しいとの事だった。

ーーーー

僕個人は、採用に一番大事なのは、志、と思っている。

しかし面接では、肝心の
「なんで、やりたいのか。」
という理由は彼女にいろいろ質問をぶつけてもよく分からなかった。

今思えば、もっと他の聞き方もあったのかもしれない。

履歴書を見ると、大きな会社で働いていて、人柄も良いし、すごく堂々としててかっこいいなと思った。
素敵な人なのである。

ーーーー

ただ「なんでこの人がR65がいいんだろうか」というところが分からなかった。
もっと正直に言うと、その時点で、あまり積極的に採用する気がなかった。

だから、会社に対する消極的な事をたくさんぶつけてみた。

・ベンチャー企業なので大企業ほどの、安定はない。
・執務スペースは、採用が決まってから用意になる。
・いままで、業務委託でしか一緒に仕事をしたことがない。
・経営者自身の経験は、ほとんどない。
などなど、本当はもっとあるが、恥ずかしいので割愛する。

それでも、面接の最後に、うちで働きたい、との事だった。

僕からすれば、「え、いいの」という感じである。

ーーーー

採用するかどうかは、結構まよった。
彼女の人生を預かる訳で、責任が出てくる。

今まで自由にやってたのとは、多分訳が違う。
実際雇ってみて、結構分からないことが多い。

びびりな僕の最後、背中を押したのは、ちょうどその夜にあった大先輩の誕生日会で、「ダイナミックにいこう」という一言だった。周りの先輩起業家にも、「雇った方が良い。」とのアドバイスを頂いた。

周りに尊敬する方が多く、とても恵まれている。

ーーーー

ともあれ、僕はそんな優秀な彼女を雇って、(コミュニケーションや教育のための時間的制約はあるものの、)純粋な作業スピードが2倍になった。すごく助かってる。
 
ただ、同時にこわいな、とも思った。
僕のために、なんでもやってくれる、と錯覚してしまいそうだったからだ。 

「無理を言えば時間をくれる」
「会社に必要なものを自費で何とかしてくれる」
「嫌な仕事を快くおこなってくれる」
など、甘えれば(特に採用直後はパワーバランス的に甘えが生じやすい、と感じた。)

僕のため、というのは会社に置き換えてもいいのだけれど、正直に言うと「これだけ給料払うんだから、元取らないと。」という風に、雇う前に思っていた。

が、実際は、彼女1人で稼ぐのではなく、チームでどうしたら稼げるか、を考えなければならず、そこにどう配置するかは、経営者としての僕の力量次第でもあるのだと感じた。

つまるところ、「部下というのは上司の為にいるのではなく、上司が部下の為にいる」、と。
彼女が働きやすくなることで、チームで稼げる体制が出来ていくのだ、と思うし、それを作るのは彼女ではなく、僕から始める事だと思った。

僕は、彼女を今後、従業員採用の基準として見ていく、そのために待遇を様々考えていく。

ーーーー

一方で、待遇をあげる為には、少ない時間で多くのお金を稼ぐ必要が出てくる。
そこでもう1つ頭に置いておこうと思った事がある。

「お客様は、お金を稼ぐ手段じゃないな」ということだ。
特に不動産という仕事は家賃が報酬を決める。

儲けよう、となれば、お客様から単価の高い仕事を、となるのはある程度自然だとは思う。
じゃあ、これからは家賃の高い人だけやりましょう、と、ちらっと心の片隅で思った。

ーーーー

けど、それって本当にやりたい事だろうか。

多分、僕の場合は生活のために働くのは、途中で飽きてしまって、やる気は出なさそう。
(事実僕は、結構大きなお金が入った後など、生活コストも低いしあまり働かなくなる。)

良く知らない人から頼まれる大きな仕事よりも、小さな仕事でも好きなお客様のために働きたい。

もっと遠くでは、どんな世界になるか見てみたいし、自分の心地よい環境をつくっていきたいから今の仕事をやっている訳で、それがイコール生きる為の手段にもなっているというのは、幸せな事だと思う。

本来の目的に立ち返ると、価値をだせているから、お客様がいる訳で、
「会社の為にお客様がいるのではなく、お客様の為に会社がある。」
のだとおもう。

(そう考えれば考える程、生きる手段とはすこし切り離した方が良いかもしれない、ということも感じる。これはまた別の話で。)

ーーーー

蛇足

僕は、
・お客様を手段にせず、会社は価値を与える事に集中したい。(価値が出せないなら会社をたたむ)
・従業員の待遇は「働いてよかった」と思えるくらいにしたい。(少ない時間でいい待遇を提供する)
と矛盾してるのだけれども、今回の採用を通じて、感じた。

だから弊社の方針としては今後、
・仕事のやり方がころころ変わる事を許してもらう。
・徹底的にコストをかけない。
ということを行なう事にした。

ーーーー

正直、今までは常勤は僕1人でやってたので、好きなカフェで何時間でも働いていた。
家でもオフィスでもカフェでも島でも働けるワークスタイルだ。

これは、僕自身が仕事を最適化し続け、たどり着いたワークスタイルなのだけれど、この作業を改めてチームでも行なっていく必要があると感じた。

彼女が働きやすいようにし、また僕自身も働きやすいようにする。どちらかではなく。
お互い働きやすくなる事で、チームとして、最適に動ける様、仕事のやり方をどんどん更新していく。

ーーーー

結果、ワークスタイルが確立すれば、必要の無い物も見えてくる。

例えば、FAXなんかはもうネットで完結出来る。
固定電話よりも、携帯の方が電話代が安くなるならそちらに切り替える。
(固定電話のアプリもあるし。)

必要のない打ち合わせはカットし、通勤時間も短縮できるようにする。
(満員電車の時間を外したり、昼食時間も選べるようにする。)

社員数が少ないうちは事務所もシェアで良いし、残業をなくせば夜のオフィスはスナックにして友だちと遊ぶのに使えるかもしれない。

ーーーー

ITとシェア、知恵と工夫で、どんどん時間とコストがカットできる。
カットできたコストと余った時間を待遇とお客様満足に投資していく。

そんな会社にしたい。
(まだまだ遠い。) 

1つ誤解を避ける為に言っておくと、もちろん、僕も一常勤スタッフとして考え、僕自身の待遇も良くなる会社にしていく。

ーーーー

今日の記事は、備忘録として、の側面もあるが、他のベンチャーのCOOに感化されたのもある。
「CEOとして、COOより常に自分より先に行っていて欲しい。」
というコメントだった。(いや、多分正確には違うのだけど酔っていたので怪しい。)

自分はきちんと勉強しているだろうか。事業を前進させられているだろうか。
すごくはっとしたコメントだった。

一緒に成長できる、ではなく、まずは僕から成長していく。