僕が、SAMPO.incと出会ったのは、千葉さんの紹介だった。
千葉さんはホームレス。正確に言うと友だちの家を転々としているので、所有はレスなホームレス。日本どこでもいえ協会に応募してくれて出会った。
千葉さんは、感謝経済を押し進める人で書道で世界を回ったりしていて、何だか楽しそうな人だなという印象で。この人がいうなら面白そうだなと思って、紹介してもらい、次の日、会いにいくことにした。
東京にも雪が積もった、1月のことである。
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SAMPOの倉庫は、東日暮里にある。
倉庫の目の前には、一戸建てにおばあちゃんが1人で住んでいて、
そのおばあちゃんは「隣の家の、雪下ろしがひどい」と文句を言っていて、
髪色の明るい男の子2人が
「えー、そうなんだ」
「本当だね」
と言ってる、
それがSAMPO.incだった。
そのおばあちゃんは「隣の家の、雪下ろしがひどい」と文句を言っていて、
髪色の明るい男の子2人が
「えー、そうなんだ」
「本当だね」
と言ってる、
それがSAMPO.incだった。
古い住宅が並び、道路は決して広いとは言えない路地を抜けた立地に、モバイルハウスが3台と軽トラックが一台、加えて作業スペースと、居間があった。
3台とも見せてもらったが、バラバラで、横が観音開きになるやつ、後ろから乗り込み密閉性が高いやつ、シンプルで作業に適しているやつ、またそれぞれに名前があった。
3台とも見せてもらったが、バラバラで、横が観音開きになるやつ、後ろから乗り込み密閉性が高いやつ、シンプルで作業に適しているやつ、またそれぞれに名前があった。
アウラやチャーリーなど、名前の意味を聞きながら、なんだか家や車とは全く別の話をしている気になった。
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アウラはもともと茶室の設計をしていた、いっすいくんの家で、入り口がにじり戸になっている。スチームパンクな外観が、なぜだか不思議とよくあっている。
チャーリーは、りくくんの家で、密閉性が高く、DJブースがあったり、プロジェクターをつけていたり、好きな物に囲まれて没頭できる、そんなモバイルハウスだなと思った。
モバイルハウスというと、広さが制限される。のだけれど、
「好きな物に囲まれて暮らしたい」
と言っていて、大好きな物を諦めるのではなく、むしろ大好きな物だけに限定して暮らす、そんなライフスタイルを実践している。
たくさんの物に囲まれて生活するのではなく、室内に置いてある1つ1つに哲学と物語がある。
彼らが、「これ良いでしょ。」と取り出すのは、古びたミシンだったり、ドラムセットだったり、あるいは時計だったりする。
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室内も素敵だが、モバイルハウスの屋上には、運転席上部から外にのぼることができる。
ただ無骨な鉄でおさめるのでなく、人工芝が張ってありのんびりできるのがいいなと。
ただ無骨な鉄でおさめるのでなく、人工芝が張ってありのんびりできるのがいいなと。
天気がいい日や、星を見に行くときはこの上に寝転がるのも良いかもしれない。
モバイルハウスにいると、自分の中で内と外の境界が非常に曖昧になる。
観音開きなモバイルハウスを見ながら、ここで図書館をするのも良さそうだし、出張バーとか楽しそう。冬はコタツをおいて、おでんをつついたり、夏は海の近くで飲み明かしたり、あああ最高だなあ。
昔、グループで、海に行って朝まで語り明かしたことがあったのを思い出した。
当時、大好きだった子が居て、全然喋れなかったんだけど、どうにか視界の端に映らないかと男友達とばか騒ぎしていた。話がそれた。
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開くこともできるし、閉じることもできる。
水回りこそないものの、積んだり乗せたりも10分ほどでできるし、何より軽トラックに乗せるので、車長が短く小回りが効く。公道も走れるし、シティユースにぴったりだと思う。
最終的には、モテアマス三軒茶屋の駐車場いっぱいにモバイルハウスを並べて、個人個人好きなことをやってると面白いなとか思う。
パーキングの上に、モバイルハウスを乗せ、モバイルハウスの屋上の人工芝で仮想の公園を作っても面白いんじゃないか。どんどんやりたい。
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居住性はどうかな、使い勝手はどうかな、この辺りは結構気になる。断熱を入れたりする予定。
でも最後は、彼らが大事にしている
「自分で作る、ということ」
「自分で作る、ということ」
既製品を買うこともできるけれど、本当に欲しい物を手に入れるには自分達で作るのが第一歩がだったりする。
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まず最初の1つ目となるモバイルハウスは、クラウドファンディング中で、達成するか不安を抱えながらも、結構わくわくしている。パトロンの皆さんと是非一緒に作りたい。
どこまで開けられるようにしようか、外観は何色にしようか、名前は何にしようか、誰と乗ってどこにいこうか、何をしようか、本当にわくわくする。
そんなモバイルハウスとSAMPO,incが僕の頭を離れないのである。